知識まとめ 【呼吸器】 異常な呼吸音の分類と疾患について

知識まとめ【呼吸器】

この記事を読むとわかること

ものぐさ看護師
ものぐさ看護師

普段から聞いている呼吸音だけど、断続性とかラ音とかいろいろな単語があって、異常な呼吸音に気づけても分類できない・・・という悩みを解決します!

  • 異常な呼吸音(副雑音)を聴診することができるようになります


  • 異常な呼吸音(副雑音)から考えられる疾患を学ぶことができます

副雑音=異常な呼吸音、肺雑音

副雑音は異常な呼吸音を指します。

肺雑音ともいい、よく臨床では「肺雑音あり。」と記録で書かれていることが多いのではないのでしょうか?

私も忙しいと「肺雑音」という大きな分類で記録してしまいがちです・・・

記録に「捻髪音あり。」「類鼾音あり。」とかっこよく書くためと、

正しい情報共有をしていくために、

次の章から分類について勉強していきましょう!

副雑音の分類

では、用語を簡単に説明していきます

ラ音

肺の中に由来する副雑音のことをいいます。

ラ音はラッセル音の略です。

ラ音は肺の中の疾患となりますが、ラ音以外は肺外での疾患になりますので、

肺の内外が分類のポイントになります

連続性ラ音

連続性ラ音は持続時間が長いラ音のことで、

主に気道狭窄が原因となります。

さらに、連続性ラ音は2種類に分類されます。

いびき音、類鼾音るいかんおん、ロンカイ、低音性連続性ラ音

【特徴】

  • 低音
  • 「グーグー」
  • 気道の太い部分での狭窄により生じる

笛音てきおん、ウィーズ、高音性連続性ラ音

【特徴】

  • 高音
  • 「ヒューヒュー」
  • 気道の細い部分での狭窄により生じる

たまに記録にある「ヒュー音」というのは喘息などで起こる喘鳴ぜんめいのことで、

これは聴診器がなくとも聞こえる音なので、笛音とは違うことに注意しましょう

(・・・ものぐさ看護師は最初、勘違いしておりました)

断続性ラ音

断続性ラ音は持続時間が短いラ音のことで、

主に肺の炎症や分泌物が原因となります。

さらに、断続性ラ音は2種類に分類されます。

捻髪音、ファインクラックル

【特徴】

  • 細かい、高い
  • 「パチパチ」、「バリバリ」、「チリチリ」
  • 硬くなった肺胞が、一気に開くことで生じる

水泡音、コースクラックル

【特徴】

  • 粗い、低い
  • ゴロゴロ、ボコボコ、ブクブク プツプツ
  • 気道内にある分泌物が、空気が通ることにより破裂して生じる

その他

肺の外に由来する副雑音にはいろいろありますが、

あまり臨床で使わないと思いますので、詳細は省かせていただきます╭( ๐_๐)╮

胸膜摩擦音

【特徴】

  • 「キューキュー」、「ギュッギュッ」
  • 胸膜炎により、胸膜の内外同士でこすれ合うことで生じる

ストライダー

【特徴】

  • 低温
  • 「ゼーゼー」、「グーグー」
  • 吸気のみで聞こえる
  • 主に上気道の狭窄により生じる

副雑音から考えられる疾患

もちろん、異常な呼吸音に気づくことができたら、

その呼吸音から疾患を鑑別することは重要です。

以下に分類とともに、考えられる疾患を追加した図を作成しました

最後に

現在、呼吸器内科病棟で働いていますが、

やはり副雑音についての記録は「肺雑音」と大きな分類で書かれていることがほとんどです。

肺雑音で間違いはありませんが、詳細な副雑音をアセスメントすることで、

次の勤務者に対しても正しい情報共有ができるため、

「いびき音が聴取できるけど、前の勤務帯では肺雑音しか書かれていない・・・いつから狭窄音がしてるんだろう・・・」

という、次の勤務者を困らせないためにも、大事なことだと思います。

覚えにくい、という方には、音での分類図も作成しましたので、ご参考ください!

★副雑音は動画サイトやネット上でたくさんアップされていますので、ぜひ聞いて臨床に活かしてみてください

ブログ初の知識まとめの内容となりましたが、いかがでしたでしょうか?

わかりにくいところや、これは違う、もっとこうしてほしいことがありましたら、お気軽に投書箱へご意見ください(*˘︶˘*)

では、次の記事でまたお会いしましょう!

ちなみに、上記リンクの「これだけ押さえれば大丈夫! 1冊でわかる病棟で行う呼吸管理」という参考書は、

実際の症例のカンファレンス内容を、会話形式でわかりやすく、また酸素投与経路の各説明や人工吸器などについての呼吸器関連知識も合わせて学べる、買ってよかったと思っているおすすめの参考書です!

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